ただ泣きたいのであれば

一人でこっそり泣けばいい


僕は今までにたくさん泣いてきた

悲しかった時

苦しかった時

寂しかった時

切なかった時

誰かを傷つけた時

誰かに傷つけられた時

誰かを失った時

たくさん泣いたけれど

僕はいつでも一人で泣いてきたわけじゃない

誰かが傍にいてくれたりもした


的外れな言葉で慰めにもならなかったけれど一生懸命言葉をかけてくれた人

困ってしまってただ見ていた人

驚いておろおろしていた人

傷ついた心にさらに追い討ちをかけるような言葉をかけた人

ただ黙って隣にいてくれた人

心が温かくなるような言葉をかけて頭をなでてくれた人

落ち着くまで傍にいてゆっくり話を聞いてくれた人

ただ黙って抱きしめてくれた人

なにもできない自分に泣きながら謝っていた人

必死になって笑わせようとしていた人

一緒に泣いていた人


一人で泣かずに誰かの前で泣けたおかげで

ほんの少し心を軽くできたし

僕は少しだけ強くなれた

自分の弱さを認めて受け入れる強さを知った


今の僕はあの頃よりはほんの少しだけでも強くなれていると思う

ずっとずっと

今日よりも明日の自分は少しだけでいいから成長ていようと思っていた


誰かといる時に

泣いているのは簡単だけれど

皆が笑えるように

笑われ役でいいからと

笑っていられる強さが欲しい


泣くのは一人でもいい

誰かと笑いあう時間を大切にしたい

そしてそんな時間を増やしていきたい